荒野のメガロポリス 森田貴寛 ボーイズラブ文庫
「凌馬、今夜は……だめだよ……っ」。あんなにジュリエットを演じるのは嫌だと言っていた春樹がなぜ泣いているのか。聖は思う。拓哉はくすんと鼻をすすると、少し息を整えて額をくっつけて目を閉じる。「ああ……あれか」。高敏はわざと、嘉瑞の一番手痛い部分を突いてきた。バシン!と大きな音がして、ジンジンと恭徳の右手が痛みを訴えているのに、裕太は殴られた瞬間も瞼を閉じなかった。
小見世の遊女に、高価な香を焚き染めるような洒落たことをする者など滅多にいない。口を尖らせて文句を言うその表情は子供そのもので、泣いて少し腫れぼったくなった目もそれに拍車をかけている。
雅之は軽く息を吐くと、そんな忠志に言った。「こんなに暗いのに、若さんには見えているんですか?」。タイムを計るまでもなく、勝負は誰の目にも明らかだった。「そ、それっ!それでいい!」。自分のすべてを捧げてもかまわないと澄みきった瞳で見つめられる快感。「…ごめんね優一」。
陸はそう言うと、何も言えずに黙り込んでいる達郎の家を後にした。
「ざっけんな!俺は認めてないからな、あれは、厳密には勝者なしだろ!」。とがめる言葉も、彼のキスで甘く溶けていく。「…こちらがあとのほうが都合がいいだろう」。高埜はこの時初めて、ファイに対して取引以上のものを与えることができない自分を口惜(くちお)しく思った。
ボーイズラブ小説作品紹介
高校入学を間近に控えた正孝は、亡き父と母との結婚に頑なに反対した父の実家で、旧財閥の流れをくむ“榊家”に突然後継者として迎えいれられた。正孝はその家で、父を愛したふたりの男性に出会うが……。思慕、愛情、すれちがい……そして訪れる狂気。感情の渦の果てに、彼らが見たものとは!?
タイトル:降る星の彼方に
著 者 名:葵ゆきの
レーベル:カフェシリーズ
発 行 元:イースト・プレス
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森田貴寛の最新関連情報
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