「ユウキ」 森雄介 BLコミック


「いろいろ?」。拓哉が部屋に戻ってきて尋ねる。「春樹?」。「よほどその人の子が気に入られたようですね?貴方様がご自分の御寝所に私以外の者を入れたのはその子が初めてですよ」。もちろん嘉瑞は抗ったが、安サラリーマンである嘉瑞の両親が嘉瑞一人のために部屋を借りてくれるはずもない。「じじよ。お前はいつから善悪を取り違える竜神に成り下がったのだ?青沼の竜神の務(つと)めとは自然の害や悪神から人々を守ることではなかったのか?」。

いつも甲斐の後ろに控えている林がいないので一応聞いてみる。

恭徳は絶句した。彼には人とは違うオーラがあった。「コーヒーでいいかな?と言っても、ここには後はミネラルウォーターと酒しか置いてないけどな」。リアリーは、抵抗もせず自然のままに頬に触れたサーファの唇を受け入れていた。そんなことすら考えられない。「それにしても、なんて格好だ?まるで……」。性に目覚めた、やりたいさかりの子供にとって、それは恐ろしく淫蕩な味だった。

「プロフェッショナルに徹することができるから、心がないというわけではないだろう?君は強いが、優しい。そして、他人の心の痛みを分かってしまう人だ」。「人のことをオモチャ扱いしやがって!そっちこそ、どういうつもりなんだよ」。

彼のスミレ色の瞳が暗く沈む。優一の唇が逃れようとすると、工藤の少し厚めの唇は、なおもきつく吸い上げるようにその唇を覆《おお》っていく。自分を呼ぶ声に目を開けたとき、涙をいっぱいに溜めた大きな黒目が見つめていた。と、クルリッと後ろを向いて白い項《うなじ》を見せつける優一。


ボーイズラブ小説作品紹介


世界一危険な運び屋兄弟、真と実に拉致されてから早数ヵ月。今では離島で診療所を開く準備をしつつ、兄弟二人から愛されながら暮らす医者の誠巳。そんな彼らのもとにマフィアのドンから、南米で拘留中の息子を救出してほしいという依頼が……。命懸けの脱出劇。さらなる追っ手が迫る。救出した男、マルチェロは逞しく聡明……。まさに実の好みで……。デンジャラスで禁忌な四人の旅が続く。イラスト荻原薫。

タイトル:汚された白衣
著 者 名:剛しいら
レーベル: 
発 行 元:イースト・プレス

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