君色思い 石坂晴樹 少年愛小説
撮影を終えてアメリカに帰国すれば、スターの勇人には雅よりもずっとふさわしい相手がいくらでもいる。
耳朶を囓られて、嘉瑞はぞくりと肌を粟立たせる。「おまえは来なくていいんだよっ、部外者だろ!?」。「そうだな、九時くらいで。あと、彼にタキシードとスーツを仕立てたい。腕のいいテーラーを明日昼過ぎに手配してくれないか」。キアはルイーズが言い終わらないうちに、その腕を掴み引き寄せた。
「ああ」。「差し出してもらおうか、君を―――」。
「………」。季節柄も考慮して、ちゃんと保冷剤も添えておくという念の入りようだった。何よりも青嵐が大切で、ずっとそばにいたい、と思うなら、その努力をすればいい。たゆとうように踊りながらも、クスクスと笑みが漏れた。勇一郎はゴミをごみ箱に入れてから、エンジンを掛けた。一回しかイカなかったからかもしれない。「……でも一番かわいそうなのは俺かもな」。
凛太郎はにやりと笑った。「川野達には、よけいなことを言うなよ」。黒光りして風格のあるメルセデス・ベンツのほうは、七重も一度だけ勇一郎に乗せてもらったことがあった。「ホントにするの…?」。「……………勇一郎さん」。何やら会話が続く気配だった。
「やったっ!」。だが春樹はドアの方を見ただけで、鍵を開けようとはしなかった。「どんなに想っても決して自分には振り向いてもらえぬ。どんなに想っても実らぬ愛ならば、その方がずっと幸せかもしれぬ」。その言葉を聞いたとき、不思議なことに桜庭は、自分が身体から脱けだして宙そらへ昇り、高いところから鷹司との遣り取りを眺めているような気がした。
ボーイズラブ小説作品紹介
「泣くな。俺が嫁にもらってやるから」。俺、龍介が、4歳年上の幼なじみの桂に、ガキの頃から繰り返してきた言葉だ。優しくて賢くて、誰よりもきれいな従兄の桂。がさつな俺の役割は、泣き虫な桂を守ることだけだった。それは、俺が21歳になってラーメン屋を構え、桂が教師となった今も同じだ。……ところが、ある日、桂は子持ちヤモメになっちまった。どんなことが起ころうとも、桂を守りたい。だけど、無防備に俺を頼ってくる桂を見守るだけでは苦しくなってきて……。
タイトル:ベビー・エンジェル
著 者 名:綺月陣
レーベル:講談社X文庫、 ホワイトハート
発 行 元:オークラ出版
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石坂晴樹の最新関連情報
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石坂晴樹 最新ネット情報
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