High Ten! 今村元気 BL小説


何を考えたのか、雅巳は事件を口外しなかった。「じゃあ俺も、一般的なお礼を……」。嘉瑞はがんっと地面をバットで叩いた。佐伯も春樹の元に駆け寄り、右頬にそっと手で触れながら言う。海王はしっかりと首にしがみついてくる由良をきつく腕の中に抱き締めると、いつものように激しく熱く愛していった。じゃあ、いまは…?それ以上、考えたくなくて、広海は目を閉じた。雄一の顔が近づいてきて、そうなのかな、と思っているとキスをされた。

「そう」。犬や猫じゃあるまいしと、鷹夜は即座にいい返す。「ええ、そうでしょうとも。本気でないとは言っておりません。ただ、あなたの本気は百も二百もあって、私はそのうちの一つになるのは嫌なんです」。「そうか……水貴(すいき)か……」。

「我々も西原くんと賭をしていたんだよ!西原くんは約束してくれたんだよ、学業でも芸能でもスポーツでもなんでもいい、自分を打ち負かす者がこの学校にいたら編入してくれると!」。充分にイッてるところはみせてやったはずだし、要のだとてイカせてやった。

「君が欲しい。わたしの心を支配している者は別にいるが、君にはそれ以外のすべてを捧げよう」。諒にはその言葉の意味がよくわからなかったが、他の三人はそれについて説明を求めたりしなかった。そして頭だけを水面から覗かせると、空中に浮かんでいる青年を優しい眼差(まなざ)しで見つめた。「え?」。水貴はそう言いながら海王の側まで近寄ると、桜色の貝殻の中に入っている真珠のような物を一粒、そっと海王に手渡した。(だからって、あんなヤツの力を借りてまで優勝なんかしたくねーよ!ホントに野球が好きなヤツだけが集まればいいんだ!)とはいうものの、本心では嘉瑞だって試合したいし優勝もしたい。

苦しそうに身を曲げたその全身が硬く強張っていた。


ボーイズラブ小説作品紹介


1/450の採用率という難関を突破して『雄飛ビール』に入社した本山安曇は、終電を逃して泊まったホテルでひとりの男に出会う。あろうことか一夜を共にしてしまったその男は、素性を告げず、ネクタイだけを残して去ってしまった。もう一度会いたいと思う安曇の前に男は姿を現したが、はたしてその正体とは……!?

タイトル:バブルウォーズ
著 者 名:剛しいら
レーベル:アズ・ノベルズ
発 行 元:ごじらん堂本舗

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